はじめに
Native Insturments社から出ているAbsynthというシンセは、一般的なシンセサイザーとはいろいろと違う路線で設計されていて、プリセットを鳴らしているだけでも無性に楽しいし、微分音系の曲と相性のいい音が出やすい気がします。しかしAbsynth本体は微分音を鳴らすシステム自体はしっかり備わっているものの、シンセの画面はNoteNumber0~127までヘルツを1つ1つ指定する操作のみとなっており、○○平均律とか、MOSスケールだとかの類のチューニングを1音1音手入力するのはとてもじゃないけどやってらんないです・・。またAbsynthのチューニングファイルは拡張子が.glyという独自形式で、しかもバイナリファイルなので、簡単に.tunや.sclから変換できるものではありません。ですが、Huygens-Fokker Scalaを使えば.glyファイルを作れるので、ざっくり方法を解説したいと思います。
やりかた
1.Huygens-Fokker Scalaを導入してください。Scala本体以外にGTK+のランタイムのインストールが必要です。
2.Scalaで目的のチューニングを作る、もしくはSevish Scale Workshopなどで作ったチューニングファイルをインポートします。
→Scalaでチューニングを作るには、例えば17EDOならコマンドにequal 17と打つだけです。
そこからMOSスケールを指定したり、Rank2Tempramentを作ったりとう作業は、
少々回りくどくなるのでここでは手順の解説は省略したいと思います。
→Sevish Scale Workshopの操作に慣れてる方はそっちでチューニングファイルを作り、
.sclまたは.kbmで出力し、Scalaに読ませたほうが効率的です。
Scalaは(多分).tunは読み込めないので、そこに注意してください。
3.出力形式を.glyに指定するコマンドを実行します。
set synth 126
を実行してあげるだけです。
Synthesizer 126: Native Instruments Absynth, via .gly file (put in Absynth tuning folder)
というメッセージが出たら成功です。
4.エクスポートします
Fileメニュー→Export synth tuningを選ぶか、ショートカットキーShift+Ctrl+Tを押します。
保存画面が出るので、まず保存するファイル名の拡張子を.glyにします。
Scalaの保存ダイアログは非常に使いにくいので、とりあえずデスクトップに保存しちゃえばOKです。
5.Absynthが読みに行くディレクトリに.glyを置きます
AbsynthのOptions画面のTemplete Libraries Directoryに指定されているディレクトリ(デフォルトから変えてないならマイドキュメント→Native Insturments→Absynth 5→Libraries)の中にあるTuningディレクトリに、さっき作った.glyを置きます。
6.Absynthに読ませます
AbsynthのPerform→Tuningタブを開き、「Tuning」の右のデフォルトで「8ve / 12」となっているボタンをクリック。
Libraryタブをクリックし、ポップダウンメニューから「Tuning(User)」を選択。
このように、作った.glyが表示されてたらOKです!
あとは実際に鳴らしてみて変な音が鳴らないか確かめましょう。
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