無料オーケストラ音源として有名なVSCOの有料・最上位版のVSCO2 Proの軽めのレビュー記事の第1回、弦楽器編です!
※ハープについては後日触れることにします
まとめ(概要)
- 奏法が非常に多い
- 素の状態では派手な音は出なく、おとなしめの音
- ロングトーンがDTM的にやや不自然、生演奏視点だとある意味リアル
セクション
チャイコフスキーの「弦楽セレナード」の冒頭4小節を鳴らしてみました。
エフェクトとして「entropyEQ+(イコライザ)」「CLA Epic(リバーブ)」をインサートして少しだけ音色を調整しています。
奏法はこの音源ではExpr. Vibratoのみを使用していますが、サスティン(ビブラートあり/なし)、スピカート、マレテレ、ピチカート、ピチカート、バルトークピチカート、スル・ポンティチェロ、スル・タスト、トレモロ、コル・レーニョ、ノンビブラートからのビブラートサスティン、ノンビブラートからのトレモロが収録されています。
このVLCO2 Pro、なぜかコントラバスのセクション音源が収録されていないという謎仕様なのですが、別途ソロでコントラバスが2種類収録されていて、この音源はこの2つをレイヤーしています。
奏法はかなり充実しているのですが、音はあまり派手なものではないので、曲想によってはエフェクトで加工してあげる必要があります。また、バイオリンはハーモニクス奏法以外はG6より高い音が出ないため、演奏できない曲もたまにあります。
派手な音ではありませんが、その分他のパートと混ぜやすい印象を受けたので、クラシック以外のジャンルにも使える音かもしれません。クラシックで使う場合は比較的小さめの編成のオーケストラとして使いやすいと思います。
ちなみに、バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの全ての楽器がかなりのロングトーンの音を鳴らしていると、伸ばしている音が音量が一瞬かなり落ちる場所があります。これは弦のボウリングの都合だと考えていますが、DTM的なロングトーンとしては不自然です。ジャンルによってはそういう点が使いにくいかもしれません。
ソロ
ラヴェルの「弦楽四重奏 ヘ長調」の冒頭4小節を打ち込んでみました。
エフェクトとして「RoyalCompressor(アナログコンプシミュレーター)」と「CLAEpic(リバーブ)」を使用しています。
全体的に高級感のある弦というよりは、パワフル感のある弦の音で、室内楽よりも協奏曲やオーケストラのソロパートが向いてる感じがします。とはいえやはり派手な感じはほとんどしないのでエフェクターによる味付けが欲しくなるところでしょうか。
ちなみに奏法はこちらもExpr.Vibratoのみ仕様しています。他の収録としてはサスティン(ビブラートあり/なし)、スピカート、マレテレ、ピチカート、ピチカート、トレモロ、ハーモニクスとなっています。
DTM的に不自然、生演奏的に自然なロングトーンが入っているのはセクションと共通です。
まとめ(まとめ)
実は取扱説明書pdfにnot “Hollywood”と書いてあったりするあたり、派手な音よりも控えめな音を最初から狙って作ってあるものだと思います(最近そういう製品多いから?w)。なので購入する場合はそういう曲が作りたい場合でしょう。とはいえ、使えるような音に持っていくにはエフェクターによる一工夫が必要なものが多いので、そこらの知識がある方はより味を出せる音源だと思います。
「普通に使えるオケ音源が欲しい!」という方は素直にもっと定番のを買うべきだとは思いますが、控えめの音のオケ音源が欲しいという方は選択肢に入れてもいいかな、と。
ちなみにマイクロチューニングスクリプトはしっかり動くみたいです。
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